天使12歳の誕生日

南国台湾も涼しくなってきました。やっとクーラーを付けずにすみそうです。
朝晩は上着が必要ですが、日中はまだ日差しが強くTシャツでも過ごせます。この温度差が南国ならではなのでしょう。
とある店やレストランではまだガンガンにクーラーがついているところもあります。皆様お出かけの際はぜひ上着をご持参ください。風邪をひかぬように。
天使が12歳になりました
我が家の天使が12歳になりました。人生の年輪をようやく一回りできたことになります。一言で言うと「よくここまで大きくなったな」という思いです。
天使は生まれて数カ月後に脳の異常がみつかり、それ以降は脳の発達が遅れ、今でも自分で「話す」「食べる」「立つ」などの生活行動ができないままです。

台湾では天使のような障碍者はあまり良い環境で生活することは難しいです。もちろん幸せに暮らしている子供もいますが、僕の彼女のように天使を出産後、夫や夫の家族から「なぜこのような子供を産んだのか」と責められたり、自分の家族(彼女の家族)にまで責められ、挙句に「この子は養護施設に送りなさい」と勧められたそうです。そんな環境から逃れるために彼女は天使を連れて2人だけで台北から台中に生活の拠点を移したのです。4年前、僕が初めて彼女に会った時は、彼女は仕事と子供の面倒で疲れ果てていました。

また、天使のような障碍を持った子供は長くは生きられないとどこのお医者さんからも言われています。
もちろん長生きしている方もいらっしゃるでしょうが、大方20歳まで生きるのは難しいと言われています。
それはしっかり噛んで食べることができなくて消化不良になったり、動くことや歩くことができなくて体内の代謝がよくなかったりといった問題が長年重なって寿命を縮めてしまうそうです。
そういうことが天使の身の上で起きているということを思うと、つくづく「よくここまで大きくなったな」「よくこの日まで生き抜いてくれたな」と思ってしまうのです。
僕は天使の12年の歳月の中で、たった4年しか一緒に生活していませんが、そんな僕でもそう思うのですから、12年寄り添った彼女はもっと感慨深いものがあるのではないでしょうか。
天使の12歳の誕生会
先週金曜日にささやかですが、天使の誕生会を行いました。外国人の友人や普段保母の仕事で世話をしている子供たちも来てくれて一緒に祝ってくれました。



遠い未来より一日一日を大切に見つめて生きていく
毎年、天使の誕生日に「この子の誕生日はあと何回できるのだろうか」と心の中でつぶやいていましたが、節目よりも毎日毎日無事に生きていてくれれば良いなと思うようになりました。僕らも歳を取り天使に対してできることはこれから限られてくると思います。それでも知恵をしぼり、家族で支え合えれば楽しく生活できるのではないかと思います。
2015年10月14日