日曜日のちょっとした中国語「夢をかなえるゾウ」Vol.15“期待は感情の借金”

ある日インドの神様ガネーシャからキツイ言葉をもらう主人公。
ガネーシャ(以後”ガ”)「自分このままやと変われへん、思うねん」
主人公(以後”主”)「え・・・」
ガ 「今ワシがそばについとって、次から次へと課題みたいなもん出してるから新鮮さもあってやれてるけど、でも最終的には忘れてく思うねん。元に戻ってまう思うねん」
ガ「やっぱ『期待』せんほうがええんかなあ」
主「それはどういうことですか?」
ガ 「いや、自分みたいなん見てると、『期待』したなってまうねん。この子やったら変われるんちゃうかなって期待してしまうんや」
ガ 「でもな、結局は、期待は裏切られんねん」
ガ 「ワシが教えてきたこと、実は、自分の本棚に入っている本に書いてあることなんや。ワシの教えてきたことには何の目新しさもないんやで」
ガ「自分、この本最初に読んだ時、今と同じように興奮してたんやで。変われると思って自信持っとった。なんでかわかるか?」
ガ「それはな、本に期待してたんや。『この本なら僕を変えてくれる』そう思うとった。だから興奮してたんやな。今の自分もそれと同じなんや。自分はワシに期待しとる。『この神様なら僕を変えてくれる、どこか今までとは違う場所に連れてってくれる』ってな。せやろ?」
ガ「期待は感情の借金やからなあ」
「因為期待是感情上的貸款」
因為・・・それは
感情上・・・感情上の
貸款・・・借金
ガ「まだ何も苦労してへんのに、成功するかもしれへんていう『高揚感』を前借りして気持ちようなってもうてんねや。でもそのうち、そんな簡単に成功でけへんいう現実にぶちあたる。そんとき『先に気分よくなってたんやから、その分返してもらいましょ』て返済をせまられて、ヘコむことになるわな。これを繰り返すことで、どんどんやる気がのうなってく」
ガ「そうやって、人は夢を失くしていくんやで」
ガ「そうやって人は生きていくねん。未来に期待して生きていくねん。期待がなくなったら、絶望してまうからなぁ」
ガ「けどな・・・期待しているかぎり、現実を変える力は持てへんのやで」
「只要有所期待,就沒有改變現實的力量」
只要・・・ただ〜をやる
所期待・・・すべてを期待する
現實的力量・・・現実にする力
●そして主人公は一人考えます。この今を、僕がいるこの場所を、本当は不満に思っているのに、抜け出したいと思っているのに「これでいいんだ。これが僕の人生だ」と無理やり自分に言い聞かせて過ごすような人生は、絶対にまちがっている。
ある日ガネーシャが主人公にこう告げます。
ガ「ワシ、もうあんまり時間がないんや」
ガ「もうそろそろ有休なくなんねん」
主「有休・・・そういう制度があるんですか?」
ガ「アホ。冗談や。神様は年中無休や。でも、いつまでもこうしとるわけにはいかんやろ。自分のそばにおったら、ずっと自分、変われへんからな」
主「何か、方法はありませんか。僕が、本当に変わることのできる方法は」
ガ「せやなあ・・・」
ガ「変わる方法は、ないことはないで」
ガ「でも、それはな、自分が想像しとるようなものやないねん。ワシ、最初に言うたやろ。自分が期待しとるような成功の秘訣は教えられへん。そもそもそんなもん存在せえへんのや。分かるやろ?」
主「はい。それを知ったからといって成功を保証してくれるような知識はないということは理解しているつもりです。」
ガ「その通りや。せやからな、ワシがこれから自分に教えるのは、特別なことでも、成功の秘訣でもない。できるだけかみくだいて分かりやすく教えるけど、決して期待すんなや」
主「はい」
ガ「もし自分が変われるとしたら、行動して、経験した時や。そん時だけやで」
「假如你能改變,那就是在付諸行動,親身實踐過的時候。只有到那個時候,你才能改變」
例如・・・例えば、もし
付諸・・・〜と共についてくる
親身・・・自ら
實踐・・・実践する
主「分かりました」
ガ「ほんまに分かっているか?」
ガ「じゃあ聞くけど」
ガ「今、この瞬間。今ワシの話聞いているこの瞬間、自分は、何をしとる」
主「それは・・・」
主「あなたと話をしています。あなたの教えを聞いています」
するとガネーシャは「ちゃうな」と言って険しい表情をした。
ガ「『座っとる』だけや」
主「え・・・」
ガ「自分は今、『座っとる』だけや。この意味、分かるか?確かに自分はこうやってワシの話を聞いとる。でもな、今、自分は何かを学んで、知識を吸収して、成長しとる思てるかもしれんけど、本当はな、成長した気になっとるだけなんや。ええか?知識を頭に入れるだけでは人間は絶対に変われへん。人間が変われるのは、『立って、何かをした時だけ』や」
「人只有在『起身力形的時候』,才能改變」
只有・・・ただ
其身力行・・・自ら動く
ガ「今まで一日一つの課題をやってきたやろ」
主「はい」
ガ「それと同じように今日から毎日一つの課題を出すで」
主「はい」
ガ「それは、自分が変わるための、最も重要な課題や」
主「はい」
ガ「まず、それを、実行に移すこと」
主「はい」
ガ「さらに、その課題をこれからの人生において実行し続けること。可能な限り毎日、自分の一部となるまで続けること」
主「はい」
ガ「ただ、ワシはその時まで一緒におられへん。さっきも言ったようにワシが自分のそばにおったら自分はワシに期待し続けるやろ。それはあかんのや」
主「・・・」
ガ「あといくつの課題出せるか、ワシにも分からへん。一つ一つ、これが最後やて思て実行するんやで。そっからはもう自分次第や。自分が自分の現実をどうやったら変えられるかは・・・もう、分かるやろ?」
二人の物語もいよいろ終盤に入ってきました。我々はあといくつの課題をガネーシャから受けることができるのでしょうか?
それではまた次回ご一緒に読み進めていきましょう。
皆さん良い週末を!
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夢をかなえるゾウ
2014年1月18日